大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和29(あ)792 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

被告人の上告趣意(後記)について。

所論は、事実誤認の主張であつて刑訴四〇五条の上告理由に当らない(本件起訴

状は被告人に送達されていること記録上明らかである)。

弁護人八田三郎の上告趣意(後記)第一点について。

控訴審たる原審においては国選弁護人が附されており、控訴趣意書に基き弁論さ

れているのであるから、所論のように弁護人を附さない場合として憲法三七条三項

に違反するものということはできない。

論旨は、原審において国選弁護人は十分に弁護権を行使しなかつたと非難するが、

弁護人は国選私選を問わず控訴理由を見出し得ない場合でも強いてその理由を主張

しなければならぬ義務を負うものではない。

同第二点について。

所論の事実は、原審において主張されず、従つてその判断を経ていないのである

から上告適法の理由とならない。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条により裁判官全員一致の意見で

主文のとおり決定する。

昭和二九年七月六日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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